この度、麻谷宏さんと川村悦子さんの二人展を企画致しました。麻谷さんは韓国の釜山ビエンナーレ(2002年)、アラブ首長国連邦のシャルジャ国際ビエンナーレ(2003年)に日本代表として出品するなど国内外において高い評価を得ている現代美術造形作家です。 赤い大きな布で風を視覚化した「Touching the Red Wind」、万物の流転を多様な素材で表現した「All Things Join Together(物・皆ナ一点ニ集マル)」など独自の感性で次々と作品に挑んでいます。 一方、川村さんは、油彩の透明で繊細なマチェールを通して古典的な美への憧憬を深めようとする具象洋画家です。 「曇りガラスに映る風景」から「樹木記」、「蓮葉譜」といった一連のモチーフの展開に続き今回も平面という制約の中で眼に見えない空気、温度、湿度、風の音を感じさせてくれることでしょう。 一見異質に感じる二人の作品ではありますが、私達が気付かないでいる地球や自然の律動の表現を追求するという点において共通性を感じます。 またとないこの二人のコラボレーション、どんな化学反応が起きるか、とても楽しみです。 是非、ご高覧の程お願い申し上げます。 ギャラリー恵風 野村恵子
麻谷宏 略歴 1973 京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業 1976・77・78 第12回・13回・14回現代日本美術展 1980・82・84 第13回・14回・15回日本国際美術展 1997 ELZTAL美術館個展(フライブルグ・ドイツ) 2001 芸術祭典・京を創る 大賞(京都・仁和寺) 2002 釜山ビエンナーレ(釜山・韓国) 2003 アラブ首長国連邦 SHARJAM INTI. ARTビエンナーレ(アラブ首長国連邦) 2004 日独芸術交流展プロジェクト(テテロ・ドイツ) 2006 ASIA ART FESTIVAL アジア現代芸術展(昌原・韓国) 2007 日独交流展プロジェクト・世界サミットドイツ開催記念特別企画展(ロストック・ドイツ)